2026年度 桜蔭中学校の分析

本郷三丁目校が担当した桜蔭中学校の分析を掲載します。
 

算数

大問1:小問集合 大問2[A]:展開図 [B]:場合の数 大問3:条件整理 大問4:回転体の体積 

昨年度に引き続き、大問数は4題だが、大問4が[A]、[B]に分岐しており、実質大問5題構成。
場合分け・調べ上げを一貫して出題する桜蔭では、丁寧な論理整理と計画的な調べ上げ力が必須である。

今年度も、大問1(3)の年月日の日付の和に関する問題、大問2[B]の碁盤の目状に並ぶ展示場をまわるのにかかる時間の最長とその展示場の選び方を求める問題、大問3のICと切符の2種類ある電車の運賃から考えられる金額を求める問題など、複数題で調べ上げる力が試された。そのため、大問1から3までは、自分の解答に自信が持てないまま解き進めるしかなかった受験生が大半だったと思われる。対して大問4は近年の桜蔭で頻出の円に関する立体からの出題で、短時間で処理できる非常に取り組みやすい問題だった。  

 
国語

大きなトピックとして、問題用紙がB4横長からB4縦長に変更され、字数が例年の1万字超から7500字程度に抑えられたことがあげられる。サンデーショックの影響で受験者層が広がることを考慮したのであろうか。実際受験者数は昨年比57人増、倍率も0.2ポイントアップの2.5倍となった。

大問1は「自然破壊の危機的な現状を一気に解決する方法はないので、一人ひとりが物を捨てないという地道な活動を進めるしかない」とするインタビュー記事。問6で「『SDGs』は九回裏で連続ホームランを狙っている。四球でいいから着実に塁を埋めていくしかない」をたとえに注意して説明する問題があったが、野球を知らない女子には厳しい問題であった。

大問2は「周囲から孤立する主人公が、嫌われ者の生徒を隠れ蓑として学校生活を送る様子と、ミヒャエル・エンデの小説が絡みながら展開する」物語文からの出題である。問6では実際の物語の主人公の変化を、挿入された小説の主人公と絡めて答えさせる複雑な記述もあった。

平易な漢字が6問出題され点数は取りやすかったが、記述の難度が中学入試の最高レベルであることは変わらない。特に大問2の記述は本文中に使える箇所はなく、本文全体を把握した上で自分の言葉で書き切る力が求められた。  

 
理科

大問1:気体の性質 大問2:チョウ 大問3:光 大問4:月と太陽

例年以上に簡単な問題が並んだ。特に大問3の光速を求める計算と大問4の月の満ち欠けの周期を求める計算は、塾のテキストや宿題で何度も取り組んだ内容であった。計算量も例年よりかなり少ない。

大問1の雨の液性を考える問題と大問2のヨーロッパのモンシロチョウの生態を考える問題では、どちらも7~8つの選択肢から選ぶ問題が出された。選択肢の数は多いものの、どちらも「降り始めの雨か降り続いた雨か」「酸性が高いか低いか変わらないか」「水平に飛ぶか上下に飛ぶか」「オスとメスの区別があるかないか」といった、2択・3択の重ね合わせである。考えるべきポイントを読み取って素早く解答したい。  

 
社会

出題レベルは昨年と同等で、しっかりと準備した受験生には取り組み易かったと思われる。また、組み合わせ問題が多く出題されているのも例年通りである。平易な出題でも短時間での判断力を求めるので、難度を上げることができる。この傾向は続くだろう。

大問1の地理では、青森県・岩手県・和歌山県・山口県の高速道路などを含む人口・人口密度・農業算出額・製造品出荷額の統計から岩手県を答える問題が出た。面積では岩手県は都府県では最大であり、南北にも長いことから高速道路総延長が最大になっている選択肢を選べるだろう。

大問2の歴史では、「布団に詰められた繊維が国産化」から「木綿」を答えさせ、明治時代(1882年と1899年)での木綿輸入額割合を比べて国内産業の変化についての記述問題が出た。製品の輸入から原料の輸入へと変化していることから、国内での繊維産業の発達を読み取りたい。

大問3の公民では、関税や日米貿易摩擦・食料自給率や国会・内閣、選挙に関して正誤組み合わせ問題が出題された。

いずれも日常的な学習の範囲内の内容である。語句や内容を正確に覚えることが求められ、30分という制限時間でも正しい判断をできる力が試された。