代々木・表参道校が担当した雙葉中学校の分析を掲載します。
大問数は例年通りの5題。小問集合、比と割合、平面図形、年齢算、時計算の内容だった。
雙葉の算数では、例年複雑な小数の計算を要求する問題が出題されていたが、今年度はそれが見られなかった。大問1の計算問題でも、小数を分数に変換して計算すると速く正確に解ける。この傾向が来年度以降も続くかは不明だが、比や分数を使って計算量を抑える方法がないか、日頃から問題を解く上で常に意識するようにしよう。
また、今回はコンパスと定規を使う作図問題が出題された。難関校全体で、図を描く問題が増える傾向が見られる。フリーハンドで書くことが必要な場合も、コンパスを使う事が求められる場合もあるので、どちらも対応できるようにしよう。
近年随筆文からの出題が多く、今年度は大問1、2の随筆文2題と、大問3の漢字からなる3題構成であった。
大問1
随筆文(又吉直樹『月と散文』)。若い頃の筆者は純粋に本や古書店に惹き込まれていたが、小説家となってから自分が憧れを抱いていた文学者たちによって「芸人が書いた小説」という差別を受けたことで、本や古書店を愛せなくなってしまった哀しみが書かれている。問14はこれまでの本文の内容を踏まえて、筆者自身のこれからの本に対する姿勢を理由とともに述べる。
大問2
筆者が戦後の生活を回想した随筆文(黒柳徹子『トットの欠落帖』)。筆者が定期を失くして線路上を歩いて通学中、臨時の汽車を間一髪で避ける。問6は戦後の貧しい中、定期を失くしたことを母にどういったらよいか、筆者の気持ちを説明する問題である。「他者とともに生きる力」を大切にする雙葉らしい設問であると言えよう。授業で記述答案の添削を受け、書き直す練習を普段から行っているエルカミノ生であれば対応できる問題である。
例年通り、4分野から知識・計算・記述がバランスよく出題されている。
雙葉の理科は身の回りの現象や時事をテーマに、与えられた資料から考察する問題が頻出である。今回であれば、ヒトの心臓の拍動についてのグラフと条件から、心臓がどのように動いているかを考えさせた。その他にも、水溶液ごとの酸性とアルカリ性の強弱の一覧から、それらを混ぜ合わせたときに、電流をどの程度通すかを問う問題が出題された。
それぞれ“なぜ結果が変わるのか”“与えられた条件は何に影響しているのか”といった考え方が必要になる。
塾生は総合テストで配られる記述練習問題を使って、これらの視点が身につくよう日頃から訓練してほしい。
例年通り、地理・歴史・公民の3分野が出題された。
試験時間30分に対して、設問数は約40問と多い。正確な知識と処理能力が求められる。
公民では、憲法についての出題が多いが、ここ1~2年はその割合が減っている。代わりに今年はアメリカをテーマにした大問で、日本の国防費を元にアメリカの国防費を計算させる出題があった。例年、グラフ・表を読み取る出題は多く見られるため、語句の暗記だけではなく、日頃から資料で何が分かるかを意識しておくとよい。
地理では、近年多発している自然災害に関する出題で、『地図に「自然災害伝承碑」の地図記号を記す理由』を記述させる問題があった。自然災害伝承碑は最近新しく付け加えられた記号である。なぜ新しく追加されたか、日頃から問題意識をもつとよい。
歴史は戦後80年を踏まえて、戦争を題材にした大問が出題された。