2026年度 武蔵中学校の入試分析

目白・練馬・オンライン校が担当した武蔵中学校の分析を掲載します。
 

算数

大問1「小問集合(売買損益と平面図形)」、大問2「速さ」、大問3「整数の性質と場合の数」、大問4「平面図形と移動」という4問構成であった。大問数は4題と例年どおりであったが、例年は「平面図形」が大問1題として出題されているのに対し、今年度は小問集合の中に組み込まれるなど、出題形式に変化が見られた。


「速さ」の問題は、信号機が設置された道を歩く問題であった。正確に状況を整理する力に加え、計算力そのものが問われている。普段から計算トレーニングなどを通じて計算力の強化に努めている受験生は、ここでリードできただろう。


「整数の性質と場合の数」の問題は、調べる際に、りんご、なし、みかんの値段が22の倍数であり、あまりに着目すると解きやすい問題であった。

 
国語

朝比奈秋『植物少女』からの出題である。


小学5年生の美桜の母・深雪は美桜を出産した時に脳出血を発症し、植物状態となって入院している。美桜は生まれた時から動かない、しゃべらない母親の姿しか見たことがなかった。しかし父の「昔の深雪が寝ているだけなように見えてくる」という言葉で、自分を産む前の母の姿を意識し始め、母は多くのものを失ったのではないかと考えるようになった。


設問では、現在の深雪の姿に戸惑い悩む父親や、深雪の実母である祖母の気持ちを問うものがある。一方で、美桜と動かない深雪との触れ合いを通じた心情を問うものもあった。美桜は誰もいない病室で動かない母に身体を預け深雪の呼吸を感じている。この時の美桜の心情を問われていた。目覚めない深雪の周りにいる娘・夫・母という様々な立場からの視点を考えることが重要であった。

 
理科

例年通り大問3問構成だった。


大問1問6はアルコールの蒸留に関する問題。
蒸留前のアルコール濃度と蒸留後のアルコール濃度のグラフから解答する問題であった。その場でグラフやリード文を正しく理解する力が求められた。


大問3の観察問題。
例年通り、実際の身近な物を操作しながら観察する力が重視された。3枚のキッチンペーパーが配られ、繊維の向きによって切れやすさが異なることや、ミシン目部分が切れにくい理由を繊維の構造や摩擦の観点から説明できるかがポイントであった。 


また、3問目では「キッチンで実際に使うときの状況」を思い浮かべながら、観察結果を言葉で的確に表現する記述力も問われた。単に現象を書くのではなく、結果に対してなぜそうなるのかを的確に解答できるかどうかが重要であった。

 
社会

今年も「近世から近代にかけての江戸・東京にかかわる歴史をひもとき、そこから現代に通ずる諸問題へアプローチする」というオーソドックスな形式であった。今年のテーマは「歌舞伎」であり、昨年放送された大河ドラマ「べらぼう」や昨年公開された映画「国宝」に影響を受けたものと思われる。 


問5の、19世紀中ごろに芝居小屋が浅草猿若町へ移転した理由を問う問題は、芝居小屋の位置を示した江戸全体の地図と、浅草附近の絵図から立地の情報を読み取り、贅沢を禁じる天保の改革と絡めて解答するものであった。一次史料の読み取りは昨年も出題されており、ただ読み取るだけでなく具体的な歴史上の事象を結び付けられるかが問われた。


また、問6の知識問題では酒田と中津川の位置が問われた。どちらも地理的にはさほど重要でないが、江戸時代の交通においては極めて重要な位置を占める都市であり、教科横断的学習を行っているかが問われている。


全体を通して最も重視されるのは、いかに普段の学習において好奇心を持ち、横断的に自ら貪欲に知識を取り込んでいるかではないかと感じる。