2025年度 雙葉中学校の入試分析

代々木校・表参道校が担当した雙葉中学校の分析を掲載します。
 

算数

大問数は例年通りの5題。小問集合、規則性、水そうの水位、金額について倍数約数の利用、2点の移動でつくる面積の内容だった。
 

計算量は過去数年間の問題に比べると少ない。また、大問1、3、さらに5(1)(2)など、多くの問題が基礎的な内容だった。「中央値、最頻値」を使う問題が小問集合に出題されているのがやや珍しいが、言葉の定義さえ理解できていれば難しくはない。
 

大問2と4は過去の雙葉ではあまり出題されていないタイプの問題だが、「規則性」「比と割合の文章題」といった、中学受験での基礎的な内容をしっかり押さえられていれば決して難易度は高くない。ただ解き方を暗記するのではなく、しっかりと理解したうえで解けるようになっておきたい。
 

例えば大問2の「2÷7」「22÷7」「222÷7」…の余りを調べる問題について。
 

2÷7→余り2、22÷7→余り1、222÷7→余り5… 
2222222÷7→余り2、22222222÷7→余り1、222222222÷7→余り5…

 

なぜ、2の個数が6個増えるごとに余りが同じになるのだろう?何か理由があるのではないか?雙葉を目指す受験生なら考えてみて欲しい。  

 
国語

大問1
筆者の小学校時代の回想が書かれた随筆文。昼休みにルールを破ってほかの生徒たちとともに勝手に学校の門の外へ出たが、松本先生に見つかる。その後、松本先生の尋問に対して嘘をついて解放された。しかし、自分の裏切りに軽蔑するほかの生徒からの視線を感じた筆者は、自分自身を軽蔑して憎んでいた(加藤周一『羊の歌』)。問6は、松本先生の態度が例になく厳しかった理由を答える。普段の国語の授業では、物語の時代、背景を伝えつつ読解に取り組んでいるが、教師が権力そのものである時代背景もふまえて答える必要がある。
 

大問2
物語文 (杉みき子『小さな町の風景』)。山にある小さな広場で出会った少年と老人。老人は自分だけが知っている美しい山の景色を少年に見せる。そのことにより、少年は老人が一生かけて温めつづけてきたものを心に受けつぐ。最後の問題は、老人にとっての山の景色の意味に触れた上で、あなたにとって同様の意味を持つものを1つ挙げて、それについて書くというものであった。「老人にとっての山の景色の意味」を読み取り、「自分にとって同様の意味をもつもの」について書くことを通して、雙葉の学校生活の柱である「一人ひとりを大切にすること」を実感する問題であるといえる。
 

大問3
漢字と熟語の問題。近年出題されていなかった二字熟語を作る問題が出された。 

 
理科

出題傾向は例年通り。4分野から均等に出題され、知識、記述、計算のバランスが取れた形式である。30分と短いため、記述や計算に時間をかけすぎないようにしたい。特に計算は小さなスペースに途中式を書かせるため、式の整理に手間取りたくない。
 

当校は身のまわりの現象を科学的に考える問題、時事的なテーマをデータから読み解く問題が特徴的である。今年は近年話題になっている里山への熊の出没について、その原因を考えた。天体からは太陽系外の惑星におけるハビタブルゾーン(生物が生存可能な範囲)について水の三態変化から検証する記述が出題された。テキスト外の事がらであっても、与えられたデータと基礎知識から、“きっとこうであるはずだ”といった考え方を導く練習を日頃からしておきたい。
 

塾生であれば総合テスト時に配布される考察・記述の追加プリントをしっかりこなそう。 

 
社会

大問1:歴史 大問2:地理 大問3:公民
 

例年3分野の中で歴史の割合が高い。今年度は特に近現代の割合が高かった。太平洋戦争前後の主なできごとの並べ替え問題は毎年出題されている。頻出内容なので、年号と主なできごとの流れを押さえておきたい。
 

地理では地形図を見て答える出題があり、ここ10年間ではなかった傾向である。また、直近3年間は県の形からその県の特色を問う出題がされている。海岸線の形など、日頃から日本地図や白地図帳に目を通し、慣れておくとよい。
 

公民では今年度も憲法が保障する権利についての出題があった。目立った特徴としては、ニュースで取り上げられている「選択的夫婦別姓」を書かせる時事問題が見られた。
 

試験時間30分に対して設問数は約40問もあり、理科と同様に時間がタイトである。しかし、問われている知識はテキストに載っていることがほとんどなので、迷わずに答えられるようにしたい。